TSG民の生活を特に支えていないSlackbotたち
※この記事は TSG Advent Calendar 2017 2日目の記事です。堂々と遅刻宣言するスタイル。
おそらく他の多くのプログラマー団体がそうであるように、TSGもサークル内でSlackを大いに活用し、その恩恵に大いに預かっている。
この記事ではそんなTSGのSlackに導入されている、#sandboxという一風変わったチャンネルと、そこで動く、箸にも棒にも掛からないようなSlackbotたちを紹介する。
TL;DR
- TSGのSlackにはBOT用のチャンネル#sandboxが存在する
- #sandboxでは古いメッセージが自動的に削除される
- 加えて、部員のBOTコードを一元的に管理し、幸せなSlackbot開発を支えている
#sandboxとは?
Slackbotを作るのは楽しい。TSGでは部員の技術研鑽のためにもSlackbotの開発を奨励している (?) が、そんなSlackbotの欠点は、時として非常にウザがられるということである。
過剰に反応するBOTが通常の人間同士の会話にたびたび割り込んでくると、会話の流れを追いにくくなるし不要な通知も多く届くことになる。毎日のチャットを便利にしようと開発したBOTが逆に鬱陶しがられることも少なくない。
この二律背反を解決するために、TSGでは#sandboxというチャンネルを用意している。このチャンネルは、主にBOTとの会話や会話未満のチャットをするための部屋で、情報量の少ないチャットを隔離し、人間の会話との棲み分けをするために設けられている。実装したSlackbotの中でも、特にくだらない実用的でないものはこのチャンネルの中でのみ動作するようになっている。
これだけならただのBOT用チャンネルだが、#sandboxには多くのBOT向けの特殊な機能が実装されている。その一つが、24時間以上経過したメッセージが自動的に削除される機能である。
sandboxクリーナー
TSGはSlackの無料プランを使用しているので、履歴として見れるメッセージの数に限りがある。BOTが投稿するメッセージは時として膨大な量になるので、大量のpostで他のチャンネルの会話を不要に消してしまいかねない。
そこで、TSGでは#sandboxにpostされた投稿は、24時間以上経過したものから順次削除し、さらに削除したメッセージをログとして保存しておくようにしている。
技術的にはクリーナーを定期実行しているのは Heroku Scheduler、ログの保存先は AWS DynamoDB である。サーバーレス最高。
ログの保存は当初 Heroku Postgres を使用していたのだが、10000レコードのレコード制限に引っかかるのと、SlackのpostはJSON構造をしておりRDBに不向きであるので、スキーマレスなDynamoDBに移行した。
記事執筆時点で、20,891レコードが記録されている (多すぎ)。ちなみに、DynamoDBは無料枠の25unit/sをすべてここに注ぎ込んでいる。レコード数的にはもっと少なくていいはずなのだが、バッチ処理をしているのでどうしてもこれくらいの処理能力が必要なようである。機会があれば Google Cloud Datastore などへの移行を検討したい。
sandboxクリーナーのソースコードはこちら。 https://github.com/tsg-ut/tsgbot/blob/master/sandbox-cleaner.js
Slackbotフレームワーク
TSGでは部員がSlackbotを作る機会が非常に多いので、BOTを一元管理するための仕組みが存在する。特に常時起動する必要があるタイプのBOTを動かすときには、一元化されたアプリケーションに部員のコードを取り込むことでリソースを削減することができる。
また、BOTアカウントを作成する時は、各部員が各々tokenを取得するとSlackのアプリケーション数制限に引っかかってしまうので、Slackbot用に使用するBOTアカウントを一つ決め、これを部内で共有することで無意味にtokenが増えることを防いでいる。
コードはNode.jsで実装され、TSGのサーバーで動いている。Herokuにデプロイしてもよいのだが、無料枠で利用してsleepされると困るのでここだけ自分たちで管理している。
まとめ
TSGのSlackのBOT事情の大枠を解説した。具体的に実装されているSlackbotの内容は各TSG部員が明日以降の Advent Calendar で解説してくれるはず⋯⋯と信じている。